Revival Times #4






 高校三年生の授業。
 教室の中は教師が喋るのと、生徒がノートを取る音のみが響く。
 それは後に控えている、その人の人生を決めるといっても過言では無い大事な出来事、入試があるからだ。
 その為教師は、二年次より比較的熱がこもった授業を展開する。
 その中で祐一は隣の席に座っている冬遊の教科書を見せてもらいながらしっかりと授業に取り組んでいる。以外なことであるけれど、祐一の成績は悪くはない、どちらかと言うとむしろ良いほうに入る。
 ここでも、彼の性格である「やるべきときにはしっかり投げ出さずにやる」が現れていた。
 何時もは、浩平と馬鹿なことをやったりもするが。


 真剣に机に向かって勉強にいそしむ祐一を見て、冬遊は声を掛けられない。
 時々、祐一のほうをちらっと見る程度のことしかできなかった。

 そうしてそろそろ四時間目も終わろうとしている。これが終わったら学生の勉強の中休み、昼休みである。  その時間を見計らって、冬遊は祐一と昼ごはんを食べようと考えていた。

 チャイムが鳴って、クラスはその時間をもって無法地帯と化す。
 全速力で購買に向かうもの、クラスを超えて仲の良い友達と合流し教室を出て行くもの、色々といる。
 
 そのなかで、
 「さて……昼はどうすっかな」
 祐一が、背伸びをしながら立ち上がる。
 その横で冬遊も弁当を持って立ち上がる。

 「相沢君、お昼はどうするんですか?」
 「そうだなー、適当に購買でパンでも買って食べようかなとは思っているところだ」
 「それなら私と一緒に――」

 そこまで冬遊が言いかけたとき廊下からばたばたと複数の足音がして、教室に人が駆け込んでくる。
 いや、それは一人ではなく複数の人間だった。
 
 「ここのクラスに祐一がいるのは本当なの、茜」
 「大丈夫です、ここに間違いありません」
 茜と呼ばれた長い栗色の髪を二つに分けた少女が返事を返す
 『それで、祐一さんはどこなの?』
 「あ、あそこにいるよ」
 スケッチブックを持った少女と、少し幼さが残った顔立ちの少女が紙と言う媒体を通して会話をする。
 祐一を見つけたばたばたと、騒がしく合計四人の少女が彼の周りに集まる。
 「おい、何でお前達がここにいるんだ? 俺はクラスを教えていなかったはずだが……」
 隣で、冬遊が何かを言いかけていたことをとりあえず置いておき祐一は突然の乱入者の応対、ちなみに冬遊は彼女達の突入から固まっていた。

 「クラスは浩平から聞いたわよ祐一、はぁ……なんで祐一が私たちのクラスに編入じゃなかったのか、ねえ茜?」
 「そうです、何で祐は私と留美がいるクラスに編入じゃなかったのですか? ちょっと悔しいです」
 「無茶言うなよ……」
 『それなら私のクラスがいいの』
 「むぅ、私も祐兄と同じクラスがいいな」
 三者三様、この場合は四者四様になるのだろうか? 皆、口々に祐一が自分のクラスに編入しなかったことへの不満を漏らす。


 「まぁ、皆。文句をたれていないでとっとと飯を食おうじゃないか」
 「そうだよ〜お昼の時間がなくなっちゃうよ」
 同じクラスの、浩平と瑞佳が会話に入る。
 ちなみに浩平の手には弁当が握られている。
 その弁当は、瑞佳のではない。

 浩平は永遠の世界から帰ってきてから、みさきと付き合っていた。
 その話は祐一が帰ってきてから、浩平の口から言われた。

 祐一が、そのことを問い詰めても、
 「……いろいろあったんだよ。お前と同じように、な」
 と、言われてから追求はしていない。
 彼は浩平自身が言う気になるまで、待つ事に決めたのだった。


 閑話休題。





 まだ口々にぶつぶつ言っている少女達を宥め、浩平は口を開く。  「さて、この学校にいる奴らは全員そろったことだし飯にしようぜ飯に、屋上で」
 「そうだな、まあそこが妥当だろ……斉藤?」
 祐一は隣で固まっている冬遊に声を掛けた。後ろでは浩平が、

 「さぁ俺と祐一の楽園へ行くぞっ! 屋上そして、ふゅーちゃりんぐ俺っ。そして俺は伝説にっ!」
 意味の分からない言葉を言っていた。ひとまず馬鹿さなら確かに伝説になるだろう。

 「俺達はこれから屋上に行って飯にするけれど、一緒にどうだ?」
 最初考えていたこととは少し違っていたが、最終的には祐一とご飯が食べれるに至ったので、冬遊は首を縦に振った。



 昼の屋上は、非常に騒がしいものとなった。
 いつも通り浩平が馬鹿なことをやり今日は祐一もそれに乗って、それを色々な人から突っ込まれて。
 ちなみに冬遊は殆ど祐一の友人とは始めてあったので、最初ちょっと硬かったが次第になれていき放課後になるまでには仲良くなった。
 冬遊はその間、笑いっぱなしだった。




 余談であるけれど、彼女達が教室に突入し、昼に祐一たちが屋上に行くまでの間固まっていた教室内の生徒達は、彼らが出て行った後、色々と話が弾んだらしい。
 中には、「相沢君と折原君ってああいった関係……?」と一部のそういったもの好きの女生徒が、彼らを題材とした本を裏放送部から極秘出版したらしい……
 あくまで噂である。
 しかし噂が真実なら、極秘でありながら完売したそうだ。
 これ以来、彼らは裏の放送部からマークされているらしい……。
 確かに、彼らは伝説となった。あくまで噂である。





後書き

 どうも、ちょっと間が空いてしまいましたが、Revival Times 更新できました。
 最後のほう自分、何かいているんでしょうかね(苦笑
 冬雪が色々忙しいのに比例し、内容もちょっと軽いものになってしまいました。
 こんな私のSSを読んでくださっている方に感謝をしながら、ではでは〜



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