Revival Times #7
ある晴れた日、昼休みの屋上。そこで煮えたぎるマグマを内に秘めた男二人がお互いの雌雄を決するために盛んに口で争っていた。その間にはまるでお供え物に一人の少女が備えられている。
「なんだ! やるのかよ祐一!」
「ああ、やってやろうじゃないか」
「俺を舐めるなよ、お前の2.4MBくらい俺のほうが断然優れている!」
「ふん――俺の底力を舐めるんじゃない。本気を出すとお前なんて吹っ飛ぶぞ。三ミクロン位な」
一方は不敵な笑顔、もう一方は相手を見下した笑顔。双方とも、相手ではなく周りに被害が及ぶような笑顔だった。
騒動の中心は相沢祐一、折原浩平の二人だった。
「あの〜……相沢君、折原君。何を言い争っていて、それに私が何の関係が?」
その中で、冬遊が物凄い居づらそうにその場に立たされていた。無論、他の知り合いは放置である。二次被害を受けたくないが無いための生け贄になっていた。
騒動の原因は朝にまでさかのぼる。
朝の登校時間、二人は珍しく歩いて登校していた。浩平の隣には彼女であり先輩であるみさきがいた。
無論、一人身の祐一には隣に共に歩いてくれる異性がいるはずも無く一人ばつが悪そうに歩いていた。
経験があるだろうか? 楽しそうに歩いているカップルの隣を歩いていると、異様に居心地が悪くなるあの空間の事を。今、祐一はその状態であった。まるで空気のように何も言わず喋らず遠くを見ていた。
そしてその時間は終わる。
浩平は高校生だが、みさきは大学生である。その為お互い向かう方向が違う。
みさきを見送っている浩平を暇そうに電柱に寄りかかってみている祐一。
見送った後、祐一と浩平の男だけで学校に向かった。
その道中、祐一が言った一言から事は始まった――
「お前、思ったより身長低いな」
そう、これは傷つく。
さらに小さい頃から気にしていると、かなり痛い。浩平もその口だった
「ふん……そういうお前だって俺と大して変わらない身長だろ」
「何を言うか! 俺はこう見えても175はある!」
「それを言うなら俺だってそのくらいはあるぞ!」
「いいや〜、それはあれだろ浩平。髪の毛を入れてだろうが。俺は髪の毛をのけてもそれくらいある」
「そんなことは無い。俺はちゃんと髪の毛をのけてもあるんだよ!」
「それなら学校行ってから保健室で計って確かめようぜ。俺と、浩平のどっちが身長が高いかな!」
そういうのが早いか、二人して朝の登校路を未だ比較的早い時間帯のところを凄まじい速さで走り出した。今100メートル走の記録をとればいい記録が出そうなくらいの速さで。
ちなみに学校についても保健室は空いていなかった。
そして冒頭の続きとなる。
「それなら飯も食ったし今から行くぜ浩平」
「うむ、行くぞ祐一。俺はお前には負けない」
両者にらみ合って階段に進む、ちなみに冬遊のことはスルーである。ほおりっぱなし、投げっぱなしである。
階段を駆け下りる音と共に何かが落ちる音もする、悲鳴も聞こえるような気もするけど気にしないで置こう、冬遊はそう思った。
ちなみに二人とも五時間目の授業を欠席した。
原因は不明である。
短い……(苦笑)どうにかしないと。
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