護衛獣は守護者 前編
正義の味方・・・
愚かだった自分が求め続けた理想・・・
切嗣が死ぬ間際に交わした最後の誓い・・・
護衛獣は守護者
前編
守護者・・・座と呼ばれるあらゆる空間と時間が隔離された世界。
ここで永遠に等しい時間が流れ、何度も守護者として世界に呼ばれた。
そこでするのはただの殺戮・・・
正義の味方を目指していた自分がもっとも嫌った行為だった。
助けるためでなく、危険故に殺す・・・
それで助かった人もいたかもしれない。
しかし、死んだもののほうがあまりにも多すぎた。
なにが正義の味方だ・・・結局誰も助けれない、ただの掃除屋だ。
愚かしい自分に怒りを覚えた・・・だが、それでもチャンスはあった。
聖杯戦争・・・
英霊を呼び、マスターと共に戦い、殺し合いをする大儀式。
衛宮士郎が正義の味方を目指しているうちは、この戦いを黙って見過ごすわけにはいかないだろう。
自分が英霊である以上、いつかはサーヴァントとして呼び出される。
もしそれが実現したならば・・・衛宮士郎を殺す。
そう心に誓った・・・はずだった。
体が引っ張られるような感覚に陥る。
嗚呼・・・またか・・・
また守護者として召喚されるのか・・・はたまたはサーヴァントとして召喚されるか・・・
しかし、今回はどちらでもなかった。
目を開けてみるとそこは一面の森だった。
最初は誤召喚かと思われたが、どうやら違うらしい。
驚くべきはマナの量、普通では考えられないほどのマナが満ち溢れていた。
ようやくここで、地球でないことに気づいた。
(なるほど・・・このマナの量なら、遠坂級の魔術師なら私を召喚してもおかしくないか)
英霊エミヤは生前は魔術師としては凛よりも劣っていた。
当然である・・・彼が出来るのはただ一つ・・・剣を作ることのみ。
しかし、今は英霊である。
聖杯戦争時にサーヴァントが召喚可能になるのは、聖杯が起動していたため。
通常の召喚では、英霊は召喚されることはまずない。
(仮にそうだとしても誰が私を召喚した?)
彼は気づかない。
自分を召喚したのは、実はすぐ後ろにある機械の門であることを。
そして、この召喚により、自分が救われることを・・・
(しかし、何時までもここにいるわけにはいかないな)
そう思い、目を強化し、視力を上げる。
そして視界に飛び込んだのは2人の少女を人質にとっている顔刺青一行と
白い帽子に赤髪の女性一行だった。
見た感じどう見ても言い争っているようにしか見えなかった。
(やれやれ、召喚されてすぐにこれか・・・)
彼はため息をつき歩き出す。
距離は200〜300m・・・歩いて5分もかからない。
◆ ◆ ◆
守りたい・・・ただ守りたかっただけ。
誰も傷ついてほしくなかった・・・そのためなら自分の命を投げ出す覚悟もあった。
「「先生っ!!」」
アリーゼちゃんとベルフラウちゃんが私を呼んでる・・・
でも、召喚術で傷ついた体では答えることも出来ず、ただ立ち尽くすだけ。
だから私は、精一杯の笑みを浮かべることぐらいしか出来なかった。
あの二人や他の皆が悲しまないように・・・
すると刺青をした人が再び召喚術を放とうとした。
「し――――」
ドスッ!!
「へ?」
するとどこからか、1本の矢があの人の腕に突き刺さった。
指された本人は、突然のことで、間の抜けた声を上げ、そして・・・
「ひぎゃあぁぁぁああぁ!!」
「もう少し声を落としたまえ。五月蝿くてかなわんのだが」
騒音と言ってもおかしくない位の悲鳴を上げ、そして、私たちのすぐ傍で
赤い外装を纏い、さっきの矢を放ったであろう弓を持った騎士が現れた。
続く
アーチャーINサモンワールドです。
なんでこんなの執筆したのかと言うと
アーチャーと3の主人公って共通点多いじゃないですか。
元は髪は赤だけど白くなったり、どっちも自己犠牲が激しかったり。
ちなみに、何故普通の士郎じゃないのかというと・・・
ほら、アーチャーって衛宮士郎の成れ果ての1つの可能性じゃないですか。
絶望して、士郎を殺そうとしているときに
アティと出会ったらどうなるのかなぁ〜って思ったんですよ。
流石に本人じゃないから、殺さないと・・・それどころか、逆に世話するんじゃないかなぁ?
とまぁ、こんな事を考えたわけですよテスト中に(爆
とりあえず、続きは近いうちに出来ると思います
しかし、何もUPしないとか言っといてこれか・・・